日本のすべての企業に必要な「サステナビリティ」の考え方とは

①「サステナビリティ」ってなあに?

今あらゆる企業が注目している「サステナビリティ」。
サステナビリティとは「sustain(持続する、保つ)」と「-able(~できる)」を組み合わせた言葉で、日本語で「持続可能性」を意味しています。
サステナビリティという言葉は1987年の「環境と開発に関する世界委員会」で初めて登場し、それ以降、1992年の「地球サミット」や「国連環境開発特別総会」でも、サステナビリティという考え方が世界で重要視されるようになりました。その流れの中、近年ではSDGsというワードが生まれ、新しい考え方へと進化しています。

②2030年までに達成したい持続可能な開発SDGs


日本においてもSDGs(エスディージーズ)という言葉は広く浸透してきました。
SDGsとは2015年9月に150か国を超える世界のリーダーが参加する「国連持続可能な開発サミット」によって定められた、国際社会が目指す共通の目標です。
 
SDGsとはSustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と表現。
世界中の人々が、ひとつしかないこの地球で暮らし続けるためにどうすれば良いのか。その「持続可能な世界」を実現するために作られた目標なのです。
 
今、世界では貧困、紛争、気候変動、感染症、差別など、これまでに経験したことのない数多くの問題や課題に直面しており、 これらを解決しなければ、世界全体の成長が困難になると言われています。
そんな背景から世界中の様々な立場の人たちが問題を認識し、話し合い、具体的な解決を目指した考え方がSDGsなのです。
 「持続可能な世界」を実現するための、17の目標と169のターゲット。
この目標を達成し、その先へと進んでいくためにも、私たち一人ひとりがこの問題を認識し、持続可能な世界の実現に向けて取り組んでいく必要があると思います。

 ③企業にこそ必要な「サステナビリティ」の考え方

今まで企業は利益を追求することを第一に経営してきました。その中で知らず知らずの内に犠牲を払ってきた部分があります。
日本も高度経済成長期において企業活動を優先するあまり、公害問題によって地球環境を悪化させてしまったり、労働時間の大幅な増加でプライベートな時間を犠牲にするなどを続けていました。
そのような「何かを得るためにはなにかを犠牲にする」状態のことをトレードオフと言い、プラスとマイナスのバランスが大きく崩れてしまうと「サステナビリティ=持続可能な世界」から遠ざかっていくことになります。
 
つまりこれからの企業活動では「何かを得るために犠牲を出す」ことをやめて、「何かを得るために何かを与える」ことのバランスを調整する、トレードオンという考え方が必要になっていきます。
  
例えば、商品や包装材に天然素材やリサイクル素材、バイオプラスチックなど環境にやさしい素材を使えば一般的にコストは上がるでしょう。
しかし「環境にいいものを使いたい」といった消費者の共感を得られれば、むしろ客数や単価のアップにつながり、社会や環境に配慮しながら利益を上げられる可能性も出てくるのです。
 
トレードオンの考え方は、実は「三方よし」という日本に昔からある考え方に似ています。
これは近江商人の経営哲学の一つで、「買い手よし」「売り手よし」「世間よし」の三つの見方から良いという状況を作ることが商売にとって大切という思想です。
この「三方よし」をモットーに近江商人は自らの利益のみを求めるのではなく、多くの人に喜ばれる商品を提供し続けることで、少しずつ信用を獲得し、商売を広げていったのです。
 
この考え方は現代の経営哲学においても注目され、利益を追求することだけでなく、買い手はもちろん社会、環境に配慮して商売を行うことが重要だと考えられています。
 
そうすることがひいては企業のサステナビリティにもつながり、買い手も喜び、信頼も勝ち取ることができる三方よしの関係を永続的に続けられることになるのです。

野中裕介 サステナビリティLabメンバー
野中裕介 サステナビリティLabメンバー
株式会社アイプラネット プランニング局サステナ推進グループ兼 サステナビリティLabプランナー

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