サーキュラーエコノミー推進の第一歩。 家電リサイクルボールペンができるまで
アイプラネットでは、三菱電機グループのサステナビリティ経営方針で課題領域としている、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進するため、リサイクル材を用いたノベルティ制作をスタート。その第一弾として家電リサイクルボールペンをリリースしました。
家電リサイクルボールペンとは
クライアント様にご提案している、アイプラネットの完全オリジナル商材。業界でも珍しいリサイクル材100%(芯を除く)ボールペン。
詳しくはHPで→https://biz.iplanet-inc.com/sustainability/activity/penrecycle
プロジェクトの全体フレーム
サステナブルな循環型社会を目指して生まれた共創型プロジェクト
アイプラネットがプロデュースし、三菱電機グループの(株)ハイパーサイクルシステムズ、(株)グリーンサイクルシステムズのリサイクル素材(家電再生材PPペレット)を三菱鉛筆(株) がボールペン(ジェットストリーム)にアップサイクルしました。
家電リサイクルボールペン開発担当者対談企画
~サーキュラーエコノミー推進アイテム第一弾
家電リサイクルボールペンができるまで~
家電リサイクルボールペンの開発ストーリーを、プロジェクトに携わった三菱鉛筆(株) (以下、三菱鉛筆)とその販売子会社の三菱鉛筆埼玉県販売(株) (以下、三菱鉛筆埼玉県販売)のご担当者様と弊社担当の対談形式でご紹介します。
[家電リサイクルボールペン開発メンバー]
右から
三菱鉛筆埼玉県販売 関口専務/三菱鉛筆 北川様/アイプラネット 村岡/アイプラネット 関口
「家電リサイクルボールペン開発のきっかけは? 」
三菱鉛筆とアイプラネットの「つくりたい」思いが出会い
プロジェクトがスタート
アイプラネット 村岡
アイプラネットサステナLabが立ち上がって、お客様にご提案するノベルティ商材のプロデュースを模索していたときに、三菱電機グループのリサイクル会社、ハイパーサイクルシステムズ・グリーンサイクルシステムズの家電リサイクルペレットを活用して三菱鉛筆様でオリジナルのボールペンを製作できるかもしれないという話が舞い込みました。
三菱鉛筆埼玉県販売 関口専務
三菱鉛筆では、以前よりリサイクル材を使用したボールペンの開発の取り組んできました。最近では海洋プラスチックゴミと、回収したコンタクトレンズの空ケース由来の再生材を使用したボールペン(ジェットストリーム)を一般の方向けに製造・販売しています。また、例えば、企業の再生材をボールペン(ジェットストリーム)にリサイクルするなど、素材の活用に向けuni connectというサービスを立ち上げて取り組みを行っております。 そんな中、家電リサイクルボールペンの製作を打診されました。家電は(家電リサイクル法により)廃棄されるとリサイクルに回されるので、リサイクルボールペンを作るには一番向いていると思い、すぐに本社の北川に話を持って行ったのです。
三菱鉛筆 北川様
昨今、多くの企業が廃棄された自社製品を再度同じ製品へと再生する、いわゆる「水平リサイクル」に取り組まれています。ただ、再生材の品質などからこれには限界があります。ならば、筆記具で企業のリサイクルのお手伝いをできないかと考え、三菱鉛筆では、様々な製品の再生材を利用したボールペン(ジェットストリーム)の製造に取り組んでいます。 そこに見計らったようなタイミングで(笑)、家電リサイクルボールペンの話が来たので是非にと思い、取り組ませてもらいました。
「プロジェクト進行中、苦労したことは? 」
リサイクル材を扱う難しさを感じました
アイプラネット 関口
家電リサイクルボールペンに取り組む前にも、いろいろなリサイクル材を用いたノベルティづくりに取り組んでいたのですが、そもそも素材の詳しいことも分からなかったので、それで話が頓挫してしまうことが結構ありました。だから家電リサイクルボールペンに取り組むにあたり、この素材で作れるのか?ということがとても不安でした。ボールペンという複雑な形のものに対応できるのかも不安でしたね。飲食店のトレーとか倉庫で使うパレットとか造形が単純なものでないと、PP(ポリプロピレン)などの再生は価格的にも難しいと言われていたので、、、でも三菱鉛筆さんにご相談させてもらえるということでとても心強く感じられました。
三菱鉛筆 北川様
再生材比率20%~30%くらいの製品であれば世の中に沢山あるのですが、どこまで再生材比率を上げられるのかは気になってましたね。まずは、弊社の技術部門とハイパーサイクルシステムズ様・グリーンサイクルシステムズ様の技術部門をつないで打合せをさせてもらうことになりまして。そうしたら素材の品質がとても高いことが分かったのです。
アイプラネット 村岡
結局リサイクル材100%で作れるようになりました。本当に良かったと思います。ただその陰にはご苦労があったとお伺いしております。
三菱鉛筆 北川様
基本的には弊社の既存のボールペン製造の技術を利用しているのですが、やはり素材の性質に合わせて細かい調整が必要で、そのため現場担当者は試作には苦労していました。
アイプラネット 関口
なるほど、そうだったのですね。私は最初の試作を拝見したときに、もう、カタチになっている!って感激しました。三菱鉛筆様ならではのこだわりと情熱があったのですね!
社会的意義のある取り組みだと理解してもらうため、
丁寧に説明
三菱鉛筆 北川様
あと、社内のコンセンサスを得るのに心を砕きましたね。三菱鉛筆にとっての家電リサイクルボールペンの価値・意義について理解を得るために各所に丁寧に説明しました。正直申しますと、文具メーカーにとって、3万本(家電リサイクルボールペンの量産ロット)のボールペンを作るために、4-5か月かけて様々な調整をして生産ラインを使うということは短期的な利益ベースでみると成立していないのです。でもこれは三菱鉛筆にとってuni connectという社会的意義のある活動の一環としてとらえており、社会のために役に立ちたいという強い気持ちが根底にあったのです。
「自身が考えるプロジェクトの意義やプロジェクトを通して変わったことを聞かせてください 」
プロジェクトを通してサステナブルな未来に向けて、一歩前進
アイプラネット 村岡
唐突にすみません。最近、夏熱いですよね。地球の環境も変わってきていて、勿論ずっと前から温暖化は進んでいるんですが、ここ数年夏の酷暑が激しさを増しています。。。もはや我々一人ひとりの努力ではこれを解消できないんじゃないかという無力感を感じていました。だからSDGsがあるわけですが。そんな折に家電リサイクルボールペンの業務に携わらせていただきより大きな視点で環境の問題に取り組む機会を与えてもらいました。とてもうれしく感じましたし大げさに言えば希望めいたものを感じました。
三菱鉛筆埼玉県販売 関口専務
先日テレビで見たのですが、ある国ではスーパーのレジ袋を一切廃止していて、お金を出しても買えないそうなんです。本当にびっくりしました。反面先進国の大都市、例えばニューヨークとかでは10メートルおきくらいに大きなゴミ箱があったりしますね。素晴らしい取り組みがある反面、まだまだ改善されていないこともあり、やっぱり年数はかかりますが、信じてやるしかないですね。だからこの家電リサイクルボールペンや三菱鉛筆のuni connectの取り組みに価値を感じていますし、一歩前に進んだと思っています。こうした取り組みが10年後・20年後には環境に対する意識を高め、今では先進的と思っていることが10年後・20年後の子供たちには当たり前になっていくんだと思います。
プロジェクトがサステナビリティについて考えるきっかけに
三菱鉛筆 北川様
家電リサイクルボールペンだけではなく、三菱鉛筆でつくっている海洋プラスチックジェットストリームやuni connectの取り組みなどが、サステナブルについて考えるきっかけになればと思っています。 あと、余談ですが、リサイクルボールペンの取り組みを始めてからというもの、世の中に売っている再生材を利用した商品の再生材比率を確認してしまうようになりました(笑)。
アイプラネット 関口
確かに私も再生材比率は気にするようになりました(笑)。あと、やはり、プロジェクトへの参加を通して、サステナビリティについて気に掛けるようになりましたね。マイボトルを持ってきたりとか。それからもう一つ。私はつい数年前に就職活動をしてアイプラネットに入社したのですが、同世代のサステナビリティに対する意識は高く、学生は企業のサステナビリティに対する取り組みをとても知りたがっています。だからこのボールペンという身近な商材がアイプラネットのサステナビリティへの取り組みを分かりやすく伝えてくれることをとても意義深く感じますし、家電リサイクルボールペンを見るたびうれしくなってしまうのです。
「最後に」これからも前へ!ともに取り組みましょう!
アイプラネット 村岡
サステナビリティに関して、皆様できていることばかりではないし、世の中的にも当然道半ばですね。でもこのプロジェクトを通して、関口専務のおっしゃったように一歩前進しましたね。これからも家電リサイクルボールペンとの関わりや、その他の取り組みを通して一つ一つサステナビリティを推し進めていきましょう!読者の皆様も是非ご一緒に。アイプラネットは皆様のサステナビリティ推進に伴走いたします(すみません宣伝です(笑))。