なぜ今、企業にサステナブル経営が求められているのか?
近年、あらゆる場面でサステナブル経営の重要性について語られるようになりました。なぜ、サステナブル経営を実践していかなければならないのか。アイプラネット サステナビリティLabの共創パートナーであり、地方自治体の本質的な課題解決や機会伸長を支援されている株式会社マッシュアップの亀岡さんに、サステナブル経営の必要性について伺いました。計3回のシリーズでお伝えしていきます。
将来予測が困難な時代のアプローチ
現代の社会は、地球温暖化や天然資源の枯渇、世界の人口爆発、貧困格差、パンデミック、国際秩序の変動など、あらゆるものを取り巻く環境が目まぐるしく変化し、先行き不透明で将来予測が困難なVUCA*の時代と呼ばれています。
*VUCA(ブーカ)とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)という4つのキーワードの頭文字を取った言葉で、先行き不透明で将来予測が困難な状況を意味する造語。
このように不確実性の高い事象や状況がもたらす社会へのインパクトは非常に大きく、企業においても対策は必須と言えます。過去20数年の世界の動きを振り返ることで、国連グローバルコンパクト発足の背景やSDGsとESGの関係を理解するなど、社会や環境に配慮したサステナブル経営についての取り組みを強めていく必要があります。
今後どのような社会変化がありうるのか、組織はどのように適応し進化していくべきなのか、企業のためのSDGsの手引書である「SDGsコンパス」では、事業活動をSDGsと連動させるアプローチとして、現状の課題の延長線上の未来であるフォーキャスティング(インサイド・アウト)ではなく、理想の未来の世界から非連続で逆算するバックキャスティング(アウトサイド・イン)の考え方が求められています。
バックキャスト思考による経営戦略
SDGsに連動した目標に対する様々な「アウトサイド・イン」のアプローチは、持続可能性における企業のリーダーシップを規定していく一つの要因になると考えられており、バックキャスト思考によるSDGsの達成手段や新規事業を創出する経営戦略としてCSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)が注目を集めています。
CSVとは、2011年にハーバード大学のマイケルE.ポーター教授が提唱した概念です。社会的ニーズや社会課題の解決に取り組むことで、社会的価値の創出と経済的価値の創出を実現し、企業成長の次なる推進力にしていくアプローチです。もう少し簡単に言うならば、自社の強みを理解し、その強みを活かして社会ニーズや社会課題に対して事業やプロジェクトに取り組むということです。
企業の社会的責任として取り組むCSR活動が、社会貢献性の高い取り組みであることに対して、CSVでは上記のとおり社会的価値に加えて、経済的価値を創出することを目的としていることが大きな特徴と言えます。
CSVの本質を学べる研修
アイプラネット サステナビリティLabと株式会社マッシュアップで共同開発した「CSVマネジメント実践セミナー」は、企業サステナ推進のひとつの壁である、実業と社会の共通価値を探るフェーズにおいて自社内検討から社外専門家の知見へのニーズが高まった際にご提供可能なナーチャリングメニューです。
我々が講師となり、CSVマネジメントと事業構想プロセスの理解促進のためのセミナーと実践的なワークショップを行います。
*アイプラネット サステナビリティLab、株式会社マッシュアップ共同開発「CSVマネジメント実践セミナー」
企業がサステナブル事業を構想する上で重要となるのが、参画する社員全員がオーナーシップを持つことによる自分ごと化です。サステナビリティに配慮した経営を行うことで企業が持続的に成長できることの本質を理解し、企業価値向上や新たな事業の創出、ステークホルダーとの関係強化、優秀な人材の確保など、目的と手段を明確にすることで企業の存続に欠かせない経営戦略として有効に活用できるのです。
アイプラネット サステナビリティLabでは、「サステナブルな社会をコミュニケーションのチカラで共に創っていく」をテーマに、こうしたサステナビリティへの意識を高める研修の開発から、プロダクトやサービスへの実装・展開まで、各分野のスペシャリストと共にさまざまな企業活動の伴走支援を行なっております。ぜひお気軽にご相談ください。
■「CSVマネジメント実践セミナー」資料ダウンロードはこちらから
https://biz.iplanet-inc.com/sustainability/downloadlist
次回のシリーズコラムでは、株式会社マッシュアップさんが手掛けた具体的なサステナブル事業例についてお話しいただきます。