お米づくりのサステナビリティ。ブランド価値向上の鍵とは?
アイプラネットで運営している三菱電機の「お米栽培プロジェクト」。
毎日の食卓に欠かせないお米にまつわるサステナビリティを知るために、
日本有数の米どころである宮城県登米地区の専用水田へ取材に行きました!
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三菱電機「お米栽培プロジェクト」とは
“おいしいごはんは、おいしいお米づくりから。”
よりおいしいごはんが炊けるジャー炊飯器を世の中へ届けるために、
三菱電機社員とお米農家さんで手を取り合ってお米の栽培に取り組んでいます。
手間と時間を惜しまず愛情を注ぎ、最高のお米を実らせること、
ごはんのおいしさを求めてやまない三菱電機の想いも重ねた
このプロジェクトは2012年から続いています。
過去には公募で集まった子どもたちとの田植え体験を実施するなど
食育にも貢献している活動です。
▼三菱電機ジャー炊飯器 お米塾サイト
田んぼでの取り組み
契約水田や取材先のお米農家さんでは、おいしいお米づくりを大前提としつつ
環境に配慮した取り組みを多数実施していることがわかりました!
その中から今回3つの取り組みを紹介します。
(左から)農家の木村さん、菅原さん、八嶋さん
耕蓄連携での完熟堆肥
おいしいお米づくりに重要な土。
肥料を入れないと田んぼの土は硬くなってしまいます。
毎春の田起こしで土をほぐす際、水田の環境を整えるため
肥料として土に混ぜるものが完熟堆肥です。
「この田んぼで育った稲わらが、巡り巡って、形を変えてまた土に戻る。
うまくできているんです」
登米地区では、耕蓄連携といって稲わらやもみ殻を
畜産にリサイクル活用し資源を循環させる取り組みが行われています。
脱穀したあとの稲わら、もみ殻は牧場で牛の飼料や牛舎の敷料で使用され、
牛糞と混ぜられ発酵。
稲わらと一緒に発酵させると臭いもなくなり、
長い時間をかけて完熟させたものは田んぼの肥料となります。
完熟堆肥としてぐるっとまた田んぼに帰ってきた稲わらは、
田んぼの土によく合い稲の収穫量アップにも貢献しています。
脱マイクロプラスチックの普及
これまで稲の成長を促す肥料には、土壌でゆっくり溶出させるために
プラスチックで覆われた被膜肥料を使用していました。
「3mmくらいのプラスチックの薄い被膜がゴミになってしまうんですよ。
それが田んぼから水路に流れて、海洋汚染に繋がるっていう話が出てきて
使わない方がいいんじゃないかと」
そこでプラスチックを使用せずとも土壌中でゆっくり分解される
化学合成緩効性肥料が開発され、採用する取り組みが広がっています。
「田んぼも海も、自然の環境を大切に守ってこそ、おいしい恵みができるんです。
昔からここは本当にいい環境の中で米を作ってきたんですから。
米づくりは環境づくりということも、心がけていることです」
“中干し”期間の延長による温室効果ガスの抑制
「日本のメタンガス発生源の1位って何だと思いますか?
実は3〜4割が田んぼから出てるんですよ」
温室効果が二酸化炭素の25倍もあるメタン。田んぼの土壌中には酸素が
少なく温度が上がるとメタンを作る微生物が住んでいます。
メタンガス発生を抑止する対策が“中干し”の延長です。
“中干し”は粒の多い稲穂にするために、田んぼの水を一時的に抜くことで
根の成長を調整し茎を増やしすぎないようにする重要な工程。
この“中干し”期間を通常よりも1週間延長することで、
発生するメタン総量を約3割減らすことができます。
農業の持続可能性を考える
「サラリーマンは勤続年数が増えるとある程度は賃金が上がっていくものじゃないですか。
農家にはそれがない。毎年の収穫量に左右されるだけで来年がどうかすらわからない」
持続可能な農業にはお米の価値を高めて農家の賃金の水準を上げる必要があります。
農家の賃金が上がると、機器への投資が可能になります。
「いくらか知ってますか?コンバイン1機で家が買えるんですよ」
メンテナンス費用も高額です。機器の更新がコンスタントに必要な一方で、
性能が向上した機器へ新しくしていくことで、格段に収穫量が上がったり、
1農家あたりの生産できる面積を増やせる見込みが出てくるのです。
田んぼの外での取り組み
そこで持続可能な農業を目指して、田んぼの外での活動が始まりました。
環境に配慮しながら大切に育てた付加価値のあるお米の周知、市場のニーズ把握を目的として、
農家が組織的に企業をまわる共創への取り組みです。
「ただただおいしいお米を作りたい、環境や社会に貢献する取り組みを
お米の付加価値としてブランド化したい。お米の価値を上げていきたい」
「それに賛同してくれる企業もあるけど、ただ安い米がほしいんだって意見をもらったり…」
「現場って言われたことはできるんですよ。こんなことしてみないかっていうのは
すぐできるんですけど、それを探しながら実作業するのはなかなか大変で…」
組織化して動くことで、国や政府から自動的に降りてくるものではない情報に触れ、
時勢や消費者ニーズに合わせてお米の作り方を変えていこう
という気運が高まっているといいます。
「中長期的な視野を持って生産できるんですよね」
田んぼの外でもおいしいお米のサステナビリティの実現に向けた一歩が進められているのです。
強まるサステナビリティへの想い
農業におけるサステナビリティへの取り組みは、まず環境保全というイメージでした。
けれど、いざ取材で生の声を聞くと、環境に対するさまざまな取り組みだけでなく、
付加価値のあるお米のブランド化のために企業との共創を試みる、
中長期的な視野での活動が見えてきました。
農家さんの根底にある、よりおいしいお米を届けたいという熱い気持ちと、
市場の安価なお米を求める実際のニーズにジレンマを感じつつも、農業をはじめ
生産者のみなさまにアイプラネットとして関われることも考えていきたいと思います。
▼アイプラネットのサステナビリティ宣言
https://www.iplanet-inc.com/sustainability/
まだまだ課題は尽きないものの、サステナブルな未来に向けたさまざまな動きを知り
新たなアクションに手を取り合いながらワクワク取り組みたいですね!
おいしさの追求から実ったお米、食べてみませんか?
「お米栽培プロジェクト」のオリジナルブレンド米を、三菱ジャー炊飯器で
炊いたメニューが銀座で味わえます!(11月時点では終了時期未定)
METoA Café & Kitchen グリルしたサーモンのポキ丼
METoA Café & Kitchenではその他のごはんメニューでも三菱ジャー炊飯器で炊いたブレンド米を使用しています。
カフェが入っているMEToA Ginzaは、三菱電機グループが皆さまと出会い、
サステナブルな社会の実現に向けて、共に学び、共に考え、その先にある
“ワクワクする”社会を共に創っていく場所。
https://metoa.jp
銀座でサステナブルな未来に寄り道してみましょう!