社会課題なのにオモシロイ!?「面白さ」で社会を変える、RICEメディアの取り組みをご紹介!

企業のサステナビリティ活動、しっかり伝わっていますか素晴らしい取り組みも、一方的で難解な情報では生活者の心には響きにくいもの。「真面目な取り組みを、どうすれば面白く、多くの人に見てもらえるか」。今回は、その答えを探るべく、ショート動画で社会課題を発信するRICEメディアの糸井さんにお話伺いました。


目次[非表示]

  1. 1.RICEメディアの挑戦
  2. 2.共感を生みだすコンテンツ戦略
  3. 3.視聴者のユーザー層について
  4. 4.企業との取り組みにおけるポイントとは
  5. 5.弊社との取り組み事例をCheck it out ★
  6. 6.企業のサステナビリティ活動の発信について


RICEメディアの挑戦

最初にRICEメディアについて教えてください。

RICEメディアは「社会課題を身近に、分かりやすく」をモットーに、社会をテーマにした動画を配信するメディアです。全国の社会課題への取り組みを取材したり、「1ヵ月使い捨てプラスチックを使わず生活してみる」「1週間牛飼いとして生活してみる」といったレポーター自らが身体を張る企画に挑戦したり、様々な発信活動に取り組んでいます。

1ヶ月使い捨てプラスチックを使わずに生活してみた 1日目~31日目【総集編】


どのような経緯でショート動画のSNS発信を始めたのでしょうか。

もともとはインフルエンサーマーケティング支援の「RICE PEOPLE」という事業に取り組んでいました。自分の影響力を社会の良いことの発信に繋げたい、というエシカルインフルエンサーの方々と、社会に対して良い取り組みをしている企業を繋げるプラットフォーム型サービスです。
企業の情報発信を支援する取り組みに価値を感じた一方で、フォロワーが数百~数千人ほどのマイクロインフルエンサーの方々が、非常に素敵な発信をされていたのに、続けられず止めてしまうことがしばしばありました。インフルエンサーとして生計を立て、活動を続けていくのはやはり簡単ではありません。そのような経験の中で、自分たちでもっと面白く・魅力的に、継続した情報発信ができるのではないかと感じたことが、RICEメディアが始まったきっかけです。

糸井さんはどのような理由でRICEメディアにJoinされたのでしょうか。

シンプルに私がやりたいことと、RICEメディアの取り組みが合致したからです。 
社会問題は個人の問題ではなく、社会の問題だから「社会問題」であり、みんなが興味を持たないと変わっていかないと思うんです。ですが社会問題と聞くと、暗くて、固くて、苦しいイメージが先行しがちじゃないですか。実際にキーワードを挙げてみると、「貧困」「格差」「障害」「差別」など・・・楽しいとは対極ですね。そうなると興味持つのはなかなか難しい。私自身、もっと気軽に社会問題について話したいと思っていましたが、楽しい雰囲気の中で重い話題を切り出すのは気が引けることもありました。
RICEメディアの「楽しく面白く伝える」というアプローチは、私自身が求めていた「社会問題への興味の入り口」を作るための方法であり、社会全体にも必要だと感じていたため参画しました。


共感を生みだすコンテンツ戦略

ショート動画でのSNS発信を始めた理由は?

ショート動画は、自分で探さなくても次々と流れてくる「受動的なコンテンツ」です。そのため、社会問題にあまり関心がない方にも届けやすいと考え発信をスタートさせました。当時ショート動画の勢いがあったことも、後押しになりました。

RICEメディアの動画はどれもテーマ設定や構成が面白く、ついつい最後まで見てしまいます。普段どのようにして企画をされているのでしょうか。

発信の第一歩は、ネタ探しです。日々、面白そうなものを調べ、実際に使って理解を深めます。その中で自分が心から「これだ!」と思えるものに出会うと、「ここが最高なんだよね」「この取り組みの本質はここにある」「他にはないユニークな点はここかも」といったポイントが自然と見えてきます。
同時に、もう一人の自分を想像します。社会問題にはまったく興味がなく、夜な夜なベッドで「ああ、疲れた・・・」と横たえ、ただ無心にショート動画をスワイプしているような、ごく普通の視聴者です。
この「熱量のある自分」と「ドライな自分」の二つの視点を重ね合わせ、どちらにとっても「面白い」と感じられるポイントを探すことを意識しています。

面白いですね。企業が発信する情報と、ユーザーが日々求めている情報は違う、とよく言われますが、まさにそこの乖離を解決するような着眼点だと思います。ショート動画はどんどんスキップされてしまうイメージがあるのですが、動画制作で意識している点はありますか。

これは難しいポイントですね。視聴者の大半は「社会問題に関心がない人」であり、その人たちが立ち止まってくれるかどうかが、すべてを決めると言っても過言ではありません。そのために、再生開始時の目を引く映像や、惹きつけるキャッチコピーなど、様々な戦略を練っています。また、尺に制約があるため、情報の精査や優先順位付けも必要ですが、遊び心は忘れないようにしています(笑)

いいね・コメント・シェアが多いのも印象的です。

RICEメディアではオリジナル動画でも企業とのPR動画でも、「楽しくポジティブに」という点を大切にしています。やはり、楽しいところに人は集まり、共感してくださるのかなと。社会問題を"深刻に"伝えることも大切だと思うのですが、そこの領域は他に取り組んでいる方がいらっしゃるので、"楽しくポジティブに"伝えていくことが私たちの役割だと考えています。
また発信するネタを選ぶ際には、「これが広まれば社会がより良くなるだろう」と純粋に自分が思えるような、友達にしゃべりたくなっちゃうような視点も重視しています。
あとは技術的な話になってしまうのですが、私たちはレポーターの一人称視点も大事にしています。第三者的な目線ではなく、レポートしている本人のパーソナリティーを出すことで、親近感を持ってもらえているのかなと。


視聴者のユーザー層について

RICEメディアはどのような方々に視聴されているのでしょうか。

視聴者の約5割がZ世代です。若年層だけでなく30代後半まで、性別問わずご視聴いただいております。

複数のSNSを運用されていますが、それぞれどのように捉えていますか。

現在はX以外のプラットフォームで動画を配信しており、それぞれ視聴者の特徴は異なります。Instagramでは、社会問題への関心が高い視聴者が多く、考察や意見を交わしたコメントが見られます。TikTokは学生の視聴者が中心で、より素直で純粋な感想が寄せられるのが特徴です。YouTubeは、その中間的な立ち位置ですね。


企業との取り組みにおけるポイントとは

設立から今日まで、様々な企業とお取り組みをされていますね。サステナビリティ活動発信における課題は各企業それぞれ異なると思いますが、共通する点などはありますか。

実際に企業の担当者様とお会いすると、その熱意に感銘を受けることが本当に多いです。しかし、多くの企業が社会問題に関する取り組みを発信する際、概念的な言葉に寄ってしまい、結果的にどの企業も同じようなメッセージになりがちだと思います。これでは生活者には違いが伝わりませんし、担当者の熱意もなかなか見えにくい。またBtoBの企業様で顕著なことなのですが、企業内の人にとっては「当たり前」となっていることが、実は外部の視点から見ると大きな驚きや発見につながることがあります。素晴らしい価値に、企業自身が気づけていないケースは少なくありません。

そんな中で、企業とのコラボレーションする際はどのような点を特に意識されていますか。

企業のご担当者様との会話の中で、ポロっと出てきた単語やエピソードが非常に素敵だったりするんですよね。お堅い文章になりがちなプレスリリースでは絶対に出てこないような・・・そんな部分をいかに引き出すかを意識しています。また一緒にお仕事させていただく中で、社会全体にポジティブな影響を与えるぞという仲間意識を企業のご担当者さんと一緒に共有できると、すごく良い取り組みになるなぁと感じます。


弊社との取り組み事例をCheck it out ★

弊社もいくつかの案件でご一緒させていただきました。最初は、三菱電機のグループ会社が運営するプラスチックリサイクル工場の取材ですね。この際は糸井さんにも取材に同行いただきましたが、いかがでしたか?

「リサイクル」と簡単に言っても、実際にはこれだけの規模の設備や高度な技術、そしてそれを動かす多くの人々が裏側にはいらっしゃるというのが驚きでした。その壮大なスケールと素晴らしさを、取材を通して改めて知ることができました。また動画が完成した後の話なんですけれど、工場の方々からこんなフィードバックをいただきました。「自分たちの仕事を見てもらえる機会があまりないので、とても嬉しかった」と。その言葉がとてもハートフルで、嬉しかったです。

実際の取材動画はコチラ!!


その取材経験を元に、三菱電機イベントスクエア「METoA Ginza」での共創ライブにもご出演いただきました。このようなオフラインイベントでの発信はショート動画とはまた違った面白みがありますよね。

オフラインでの発信は、1分のショート動画よりも受け手に深く響くものだと感じます。同じ空間でリアルタイムを共有することで信頼関係が築かれ、それがオフラインイベントならではの良さですね。METoA Ginzaでは、リサイクルを五感で体験できたため、より記憶に残りました。

実際にRICEメディアのファンの方もご参加いただいており、RICEメディアの影響力を間近に感じた瞬間でした。

※METoA Ginzaは2025年8月4日に閉館しました


企業のサステナビリティ活動の発信について

最後に、企業のサステナビリティ活動の発信で悩んでいる読者も多いと思いますので、メッセージをお願いいたします。

社会をより良くしたいという企業活動の発信には難しさもあると思いますが、本物の熱意は必ず伝わるものだと信じています。様々な方法を試す中で、最適な発信方法がきっと見つかるはずです。もし発信のフォーマットやプラットフォーム選びでお困りでしたら、私たちが力になれることがあるかもしれません。お気軽にご相談いただけると嬉しいです!ぜひ一緒にやりましょう!


おわりに

本取材を通し、ショート動画で社会課題を発信する工夫と熱意に触れることで、企業活動の発信方法についても様々なヒントを得ることができました。サステナビリティ活動の発信にお悩みの企業は、RICEメディアのようなパートナーの視点を取り入れることも有効な手段のひとつだと思います。当社では、企業とパートナーとを繋ぎ、最適なコミュニケーションプランをご提案しております。ぜひお気軽にご相談ください。

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